リモートワーク

Rebuild: 32: How We Work Remotely (Naoya Ito) この回で 37signals(現:Basecamp)と GitHub を中心にリモートワークについて話がありました。

自分もここ2年ほどリモートワーク中心で過ごしてきたので色々と思うところがありました。 その前に紹介されていた 37signals の下記の書籍を読んでからブログに書こうと思ったのでした。

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

ということで読み終わったので、自分の経験交えていくつかの点について述べたいと思います。 上記の本の感想として概ね同意できるところですが、これは難しいという部分もありました。あまり書くとネタバレになってしまうので、一つあげると、グローバルに渡って雇用する際に法的な壁があったら個人事業主で雇えばよいと書かれていましたが、これをさらっと言うのは社会保険が整っている日本では厳しいと思いました。

それでは色々な視点でリモートワークについてつらつらと書いてみます。

なぜリモートワークなのか

まず背景として、自分がフリーランスエンジニアになってから数年常駐お世話になっていた会社と、今は持ち帰りで一緒に仕事をさせてもらっています。 一番の要因は3年前の震災の影響で都心へ通勤することの諸々リスクを身をもって知り、それをなるべく低くしたいと考えたからです。またフリーランスとして自分でアプリ製作の時間などを必要としていたこともあります。

移動(通勤)が無くなることについて

メリット

往復3時間の移動(通勤)時間が消え、平日の寝不足も無くなりましたし、休日の寝溜めも不要になりました。台風や大雪の影響も受けなくなりました。家事含めて時間も有意義に使えるようになりましたし、総じてやれる量が増えました。

デメリット

移動が無くなったことで絶対的に歩く量が減りました。だから昼食は少し遠めの店まで食べに行ったり、わざと回り道をして帰ったりしてます。ただ散歩自体はリフレッシュにもなります。 あと移動時間にわりと小説を読んでいたのですが、めっきり読まなくなりました。習慣にもよりますが時間を捻出しないとできないです。

コラボレーション・コミュニケーション

コラボレーション・タスク管理ツール

リモートワークに限らず昨今の仕事には必須のツールですが、特に隣が見えない分、アクションや成果のログの共有が非常に重要になります。このツールの使い方を改善していくことが全体的なチームの向上に繋がるでしょう。ただこういったツールを3つ以上導入するのは止めた方が懸命です。追えるのはせいぜい2つが限界です。

メッセンジャー・チャットツール

仕事上必須なのはもちろんですが、雑談部屋やカテゴリごとの部屋があると、ちょっとした話題の共有や問題に直面したときの相談ができて良いです。あまり得意ではないですが、顔文字・絵文字も上手く使ってテンションの共有もうまくしたいところです。これは本の中でも触れられています。

音声・動画通話

話した方が早いことや感情も伴う伝達を必要とするときはテキストチャットではなくボイス・ビデオチャットを行った方が良いです。ただそのままダラダラだべってしまってもお互い時間を潰してしまうので、終わるときはさくっと切り上げることも大切です。 マイクやスピーカーの良さつまり音質、そして高速なネットワークが重要です。聞きづらく無駄な集中が必要になったり自然に話せないと逆効果になります。

オフィスで相手の席に行ったり自席に来てもらって相談するというシーン。これは結局二人でディスプレイを眺めて話すことが多いので、動画で画面共有+音声で違和感なくこなせます。

ふとオフになったとき孤独感に苛まれることがあります。相手側の状況にもよりますが、長時間音声を繋ぎっ放しにしてもらうのと良いです。お互いに気にせずちょっと席を離れるときでも告げたりしない。ただ繋いでおくと向う側の雑談やキーボードタッチ音が聞こえてくるだけですが、一体感が出ます。

仕事の進め方について

モチベーションの波を吸収する

1日単位での定時間は向かないでしょう。人間乗らないときはありますし、家だと逃げ道があるので、進まないときがあるのも現実です。だから平均して8時間やるのをルールとして、2日で6時間と10時間でトータル16時間という方が効果が出ると思います。もし部分的にリモートワークを導入するなら、2日間セットでやると良いと考えます。

サボりとオーバーワーク

自分は社員ではないので給与ではなく報酬を請求する立場です。だから根底にやらないと収入が無くなるという意識があります。ただ結局は成果の把握が重要になります。前述したコラボレーション・タスク管理ツールを上手く使ってより可視化することで作業量をマネージメントすることが重要でしょう。

セキュリティリスク

諸々のセキュリティリスクについては、某事件のようにインターネットに接続してる以上オフィス内であっても完全防御することはできません。単に抑え込むのではなくて各人の知識を向上させて、仕事をしづらくせずに有用なツールを適切に使うことだと思います。

リモートワークは万人に可能なのか

性格的に向かない人

思いや考えを内に溜めこむ性格の人は、外から全く見えなくなるので、マネージメントする立場の人は辛いと思います。こまめに通話や会って話す機会が必要になると思います。

いきなりリモートで始める

全く知らない人同士でいきなり始めるのは難しいかもしれません。特に文面から伝わる温度と実際のその人の抱いている感情の温度が乖離しやすい人は、ある程度対面で仕事をしたことがないと全体に悪影響になるかもしれません。

リモートワークを導入すべきか

ディザスタリカバリの観点

事業のDRの観点からもリモートワークの導入はリスク回避の手法になります。現実的に震災や最近の水害・雪害の大きさを考えると、日本では事業的に可能な限り導入すべきだと思います。

優秀な人材を確保できなくなる

リモートワークがこなせる人は結局のところ、従来の働き方における障壁があっても、それを上手く利用して成果が出せる人になります。そうなると唯一平等に与えれた時間を有効利用できるため、優秀な人ほどそういった環境を望むようになると思います。そのためリモートワークを導入せざるえない時が近づいていると思います。

なかなかまとまらず1週間以上下書きだったのですが、とりあえず書き終わったので公開します。